先日発売されたクレイジーピッグのアーマンド・セラの自伝『IN MY LIFE』では、アーマンドの生い立ちや音楽との出会い、クレイジーピッグを創業するまでのストーリーなどが彼の言葉で丁寧に語られています。

もちろん、クレイジーピッグのジュエリーについても様々なエピソードが語られていますが、今回はその中でも興味深い『ロストスカルリング』にまつわる話を紹介します。

2022年はクレイジーピッグ・ロンドン本店の30周年、東京店の5周年ということで一挙に30種類の新作を発表するなど、多くの作品が登場しましたが、その締めくくりとして登場したのが『ロストスカルリング』です。

スカル全体のざらついた質感は職人の手作業により与えられ、全く同じものは二つとありません。

モチーフは早々にスカルに決まり、この特別な年に相応しいこれまでと違うものにしようということでアイディアを模索していたところ、17世紀のローマ教皇アレクサンデル7世の肖像画の隅に描かれた頭蓋骨に目が留まりました。

教皇アレクサンデル7世は、寵愛していたバロック彫刻の巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニに大理石による実物大の頭蓋骨の彫刻の製作を依頼したそうです。教皇はその彫刻を自身の執務室の机上に置き、常に視界に入れ、死=限りある生命を意識しながら職務を遂行していたそうです。

この彫刻はアレクサンデル7世の崩御後、親族の手に渡った後にドレスデンに移されたそうです。そこでは近年までの非常に長い間、作者不詳の名作として扱われ「失われた頭蓋骨(LOST SKULL)」として今日まで注目されることはありませんでしたが、研究者たちの調査の結果、ベルニーニの作であることが確認され、2021年にドレスデンの美術館で再び表舞台に戻ってきました。
この素晴らしい芸術作品のストーリーの興味深さと造形の美しさに魅せられ、アーマンドはこの頭蓋骨を主題とすることにしました。

「本物の頭蓋骨を模したリング」ではなく「本物の頭蓋骨を模した大理石の彫刻を模したリング」を製作するのは簡単ではなかったようで、この偉大なる頭蓋骨を余すことなくリングとして楽しめるよう、大きさやアングル、着用感を調整することは更なるチャレンジだったとのことです。

リング内側には30周年と5周年を記念する「XXX」と「V」の文字が彫られています。

モデルとなった頭蓋骨の彫刻に見られた下顎の部分的な欠損なども取り入れつつ、巨大なサイズながらも快適に着用できるようアレンジし、ようやく完成した『ロストスカルリング』はアーマンド・セラも満足しているようで、自伝中でも「素晴らしい作品に仕上がった」と語っています。

大きければ良いというものではありませんが、100g近い重量とこの存在感は何にも代えがたい魅力です。

クレイジーピッグ東京店にて『ロストスカルリング』の実物をご覧いただけます。美しく興味深い物語を持つアーマンド・セラの自信作を手に取り、是非細部までご覧ください。

LOST SKULL RING
store.crazypigdesigns.jp/view/item/000000000685

ARMAND SERRA – IN MY LIFE
store.crazypigdesigns.jp/view/item/000000000735

公式オンラインストア/Amazon Payも使用可能
https://store.crazypigdesigns.jp

お問い合わせフォーム
https://store.crazypigdesigns.jp/html/email.html

CRAZY PIG DESIGNS TOKYO
クレイジーピッグ東京店
東京都世田谷区北沢2-30-3
TEL: 03-6407-8158
https://crazypigdesigns.jp
info@crazypigdesigns.jp

CPDJapan

おすすめ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です